■ご挨拶
この度、第12回日本異種移植研究会を鹿児島大学においてお世話することとなりました。
異種移植研究分野においては、臨床応用を指向した種々のアプローチが試みられていますが、中でも遺伝子改変ミニブタすなわちGalTKOミニブタの開発が精力的に進められています。
しかしながら、未だその飼育・繁殖そして供給体制が実現していないのが現状です。このような状況の中で、鹿児島で開催される本研究会から新しい異種移植研究が発信できればと考えています。
今回、異種移植実現に向けた意欲的な研究発表を期待したところ、18題の応募がございましたので、一般演題に加え、ワークショップ「異種移植医療を実現するために−挑戦とその可能性―」を企画いたしました。
本ワークショップは、私が日頃自問自答している「異種移植は医療として成り立つのか?」に答えるためにも避けて通れない課題を取り上げました。
現時点における異種移植研究の進捗状況、新たな挑戦、そして異種移植医療への可能性についての討論に期待しています。
また、二つの特別講演を企画いたしました。
自治医科大学分子病態治療研究センター・再生医学研究部で活躍されている花園 豊先生による「ヒツジを用いたサル組織の産生」、そして東京慈恵会医科大学腎臓高血圧内科・DNA医学研究所プロジェクト研究部腎臓再生研究室の横尾 隆先生による「ブタ胎仔を用いたヒト腎臓再生法の開発」です。
これらの講演は異種移植研究に再生医学研究を融合した新しい研究分野として大変興味ある研究です。
さらに、異種移植研究の世界的動向について、Global Consultation on Regulatory Requirements for Xenotransplantation Clinical Trials (WHO主催)に出席された小林孝彰先生に、各国の臨床化に向けた異種移植への取り組みならびにその規制などについてupdateな報告をお願いいたしました。
ランチョンセミナーでは、鹿児島大学で開発されたクラウン系ミニブタの特徴と移植実験への応用に関する報告を、鹿児島大学の山田和彦先生にお願いしました。
鹿児島は明治維新を推進した改革の地です。ここで開催される今回の研究会が、わが国での異種移植研究のさらなる推進に役立つことを切に願うものです。
■御礼
この度、第12回日本異種移植研究会を鹿児島でお世話いたしましたところ多数のご参加を賜り、誠に有り難うございました。厚く御礼申し上げます。
今回、期待通り異種移植実現に向けた意欲的な研究発表が多数ございました。一般演題ならびにワークショップ「異種移植医療を実現するために−挑戦とその可能性―」では、異種移植研究の現状と医療への応用を指向した研究が発表され、会員一同に希望を与えたのではないかと思います。
また、花園 豊先生による「ヒツジを用いたサル組織の産生」、横尾 隆先生による「ブタ胎仔を用いたヒト腎臓再生法の開発」は、異種移植研究に再生医学研究を融合した大変興味ある有意義な講演でした。
さらに、小林孝彰先生による各国の臨床化に向けた異種移植への取り組みならびにその規制などについての報告、山田和彦先生のランチョンセミナー等、過密なスケジュールの中、貴重な時間を会員一同で共有できました。
発表者ならびに座長の労をとっていただいた先生方々に重ねて御礼申し上げます。
最後になりましたが、本研究会会長の白倉良太先生、小林孝彰事務局長、世話人の先生方、鹿児島大学吉田浩己学長、愛甲 孝理事の皆様をはじめとする鹿児島開催にご尽力いただいた関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
平成21年3月吉日 |
鹿児島大学フロンティアサイエンス研究推進センター・先端医療開発分野 |
医歯学総合研究科・再生再建移植学講座 |
高尾尊身 |
Targeting Cell開発担当 佐藤正宏
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・広く哺乳類のゲノムに存在
(ヒト ゲノムの約 8% ブタ ゲノムの?%)
・種々の条件下で発現する
RNA、タンパク質、ウイルス粒子レベル
ガン細胞、妊娠、胎盤
放射線照射、UV照射
・ヒト疾患との関連性(精神疾患 自己免疫疾患)
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1.異種移植と遺伝子改変
−異種移植の推進になぜ遺伝子改変が必要か−
2.マウスでの遺伝子改変(gene targeting)方法
3.ミニブタでの遺伝子改変(gene targeting)方法
−マウスと異種移植用動物でのgene targeting の方法の違い−
4.異種移植用遺伝子改変ミニブタ開発における
現在の問題点と解決の方向性
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